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琵琶湖が育む食文化と畜産業の今

 琵琶湖が育む食文化と畜産業の今

レポート:鎌部真奈 岡田美瑠 水野紗那 熊谷怜吾
トーク要約

滋賀県は、県の中央に日本最大の湖である琵琶湖を保有している。

琵琶湖は昔から日本に存在しており、琵琶湖でしか見ることが出来ないビワマスやニゴロブナなどの保有種も多く存在している。

そのため、滋賀県では古くから琵琶湖の豊かな水資源を活かした農業が発展してきた。

湖から得られる水は周辺地域の水田を潤し、米作りを中心とした農業の基盤を形成してきた。また、琵琶湖の漁業も盛んであり、湖魚を利用した食文化が根付いている。

その代表的な郷土料理の一つに「じゅんじゅん」がある。じゅんじゅんはすき焼き風の煮込み料理で、もともとは琵琶湖及び周辺の河川で撮れる魚を醤油やみりんなどで味付けした鰻や鯉などを具材としていた。しかし時代の変化とともに、牛肉や鶏肉などのその他の食材も使われるようになり、現在では具材が多く追加され家庭や地域行事などで親しまれている。

滋賀県は関西の工業地帯の一部として発展してきた歴史を持っているが、近年では産業構造の変化により、かつて盛んだった漁業や農業の文化は次第に衰退しつつある。また滋賀県を代表する食のブランド「近江牛」も和牛全体の脂肪交雑過多の傾向の中で「おいしさ」を追求しきれていないのではないかと考えている。さらに、ブランド牛は市場価格の変動や流通環境の影響を受け、高値で取引されにくい状況が続いている。

このように、滋賀県では琵琶湖を中心に発展してきた農業・漁業・食文化は時代の流れとともに形を変えている。

           

 学生に講義をしてくださる原田さん

原田さんへのインタビュー

―元農林水産省畜産部長の原田さんに、お肉や乳製品の海外と日本の違いについてお話を伺いました。―

Qー学生 A 原田英男さん

Q: 先ほどはお話ありがとうございました。畜産業についてお伺いしたいのですが、お肉の種類として、交雑種とブランド牛がありますが、なぜ最近はブランド牛が売れづらい状況なのでしょうか?

A: コロナ禍で自宅に籠ることが増えて、スーパーの利用が増えましたよね。もともと消費者の考え方が「外食したからには良い肉を食べたい」だったにもかかわらず、スーパーでお手頃価格な交雑種を買う機会が増えたことで「スーパーの交雑種でも十分に美味しいからあえて高い肉を食べなくてもいい」という考えが増えてしまったんです。この消費者の思考の変化でブランド牛の売り上げが減少して、現状畜産業の経営が厳しいとのことです。海外ではサシが多いものが人気だから、海外にはサシが多く入っている良い部位を輸出して、日本にはモモや肩など脂身が少ないところが人気なのでスーパーにはその部位を卸してますね。生産者は綺麗なサシを入れれるように努力しているんですが最近の日本人にはなかなか手に取ってもらえないですね…。

Q:そうだったんですね…牛肉にサシを入れるには、餌をたくさん与えればよいのでしょうか?

A:ただ単に餌をあげればいいって言うわけじゃないんですよ。牛肉のサシには「荒ザシ」と「小ザシ」の2種類があるんです。「荒ザシ」は一気に脂肪をつけるとできてしまうサシで塊の脂肪ができて、肉質が少し荒くなってしまうんです。だけど、「小ザシ」は少しずつ油を入れることで綺麗なサシができるんですよ。「小ザシ」の方が入れるのは難しくて高値で買い取られますね。

Q: なるほど。肉の味って、育て方や季節で変わるんですか?

A: 変わりますね。牛乳や牛肉の風味は、飼育する季節や飼料、つまり「何を食べて育ったか」で大きく変わるんです。

Q: ということは、海外の牛肉と日本の牛肉何か違いがあるんでしょうか?

A: ヨーロッパでは放牧が基本なので、硬い肉もあれば柔らかい肉もあります。でもそれが当たり前なので、みんなあまり気にしません。日本では、スーパーで販売するものはどの肉の品質も同じでなければなりません。そうじゃないと、スーパーに卸せないんです。海外から来た人が日本の肉を見るとどれも均一で驚かれますね。

Q: 飼料はどのようなものを上げているんでしょうか?

A: 麦や米は牛たちにとって良い肥料になりますね。トウモロコシも牛の餌としてメジャーなんですけど、あまり質が良くないんです。麦類や米類の餌は融点が下がり、くち触りの良い脂をつけることができます。ですが、融点が低いと脂が残ってくち触りが悪くなってしまうので餌選びはかなり大事です。そして、牧草を食べている牛は、牛自体がカロテンを分解できないので、脂に少し黄色みが出ることがあるんです。

Q: 脂が黄色いと見た目が違いますね。

A: そうなんです。見た目が白い脂のほうが「良い牛」と思われやすいので、実は放牧牛の中で良い牛がいたとしても、黄色い脂だと市場に出ないことが多いんですよ。日本のバターは白いでしょ?海外のバターは凄く黄色みがかかってるんですよ。

Q:日本人の私たちからすると、バターは黄色というイメージがあるのですが原田さんからすると日本のバターは白いんですね。

A:そうですね。日本人はスーパーで販売されているバターの黄色みが当たり前だと感じている人が多いと思いますが、海外のバターはものすごく濃い黄色をしているんですよ。ヨーロッパはすべて放牧で牛を飼っているんですけど、アメリカは放牧していないです。日本はアメリカの畜産方式をまねしているので、日本もアメリカも放牧をしてないんです。

A:畜産業についての知識がとても深まりました!貴重なお話ありがとうございました!

感想

本企画を経て、畜産の現状や課題、解決策を見出す従事者の策を知ることが出来た。畜産環境整備機構から来ていただき、貴重なお話を沢山していただいた原田英男さんに感謝を申し上げたい。ありがとうございます。

今回の企画を通して、そのようなお話は私たちに畜産の業界が直面している様々な課題に対して新たな興味を持ち、自主的に考える機会を得る機会をもたらした。

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