更科そばと未来の食の可能性を追求!
レポート:野田碧依、南弥良爾、古薗瑞帆、森本雅菜
はじめに
10月22日(水)、立命館大学にて、全日本・食学会顕彰委員会・立命館大学テロワール合同イベントが行われました。
イベント当日は、たくさんのゲストの方々にお越しいただき、焼きそばや焼売、ほうき鶏など、たくさんの美味しい食事を振る舞っていただきました。
その中でも、私たちは株式会社更科堀井からお越しいただいた、堀井良教様にインタビューをしました。堀井さんは、「更科そばを使用した植物性クリームパスタ」をご用意してくださり、私たちは調理や配膳のお手伝いをしながら、更科そばや植物性食材について、お伺いしました。
更科そばって何?
まずそもそも更科そばとはなんでしょうか?
更科そばとは、江戸前そばの御三家と称されるそばの一つで、そばの実の中心部分である一番粉(内層粉)を原料にしており、色が白く透き通っているのが特徴です。
私たちに馴染みのある蕎麦と比較して、とても白いことがよくわかります。
高級そばとしての地位を確立している更科そばは、見た目の美しさだけでなく、その味わいと食感でも評価されています。
一番粉は、そばの実の外側の部分が少ないため、一般的なそばに比べてそば本来の香りは控えめになっています。一方で、ほのかな上品な甘みが感じられるのが更科そばの特徴的な風味であり、繊細な舌触りと、ほどよい弾力やコシの強さも特徴で、のど越しの良いそばとなっています。
この後、実食レポートを書きますが、ツルツルとした喉越しでとても味わい深いものでした!
更科堀井とは
次に、更科堀井について、ご紹介します!
更科堀井は寛政元年(1789年)、十一代将軍徳川家斉の頃に創業しました。なんと江戸時代のことです!
初代は信州特産の信濃布商からそば屋へ転じ、麻布永坂町に店を構えました。
「更科」は信州そばの集散地だった更級の「級」の音に、領主保科家から許された「科」の字を当てたものと伝えられています。創業当初から大名屋敷や寺院に出入りし、明治時代半ばの最盛期には皇后や宮家にも出前を届けるほど繁盛しました。
昭和初期の恐慌で一度廃業し、戦後に会社組織として再建したものの、「永坂更科」や「布屋太兵衛」の登録商標を失ってしまいました。
しかし、江戸時代から続く家業の伝統を、創業の血筋を引く堀井家の手で再興したいとの思いから、のちに堀井家が伝統を継承し、麻布十番に「総本家更科堀井」として再興しました。
更科そばを実食!
今回、堀井様には「植物性クリームパスタ風そば」をご提供いただきました!
この更科そば、かなり白っぽいですよね。
これは、α化した蕎麦粉を使っているため、白っぽくなるそうです!これは、前述の通り、更科そばの大きな特徴です。
麺を実食しましたが、蕎麦粉の香ばしさや甘味を感じられ、とてもおいしかったです。
また、少しツルツルした食感ですが、もっちりした感じもあり、パスタ料理として使われても違和感がありませんでした。
麺にもこだわりを感じられますが、それだけではありません。
本料理は、出汁を含むすべての原材料が植物由来で構成されており、動物性食材を一切使用していない点に大きな特徴があります!
使用された食材の中でも特に印象的なのが、不二製油株式会社が開発した「豆乳クリームバター」と「ミラダシ」です。
豆乳バターは、豆乳のようなやさしい風味とすっきりとした口どけが特長で、滋賀県特産のカブを調理する際に使用されました。パスタにカブを使用するなんて、新鮮でとてもおいしかったです!
また、ミラダシは植物性の出汁素材で、動物性原料を用いずとも強い旨味と満足感を感じられました。
今回は、カツオベースとチキンベースのミラダシ用いて、パスタソースを作っていただきました。
パスタソースには、もう一つこだわりがありました。
それは、蕎麦の茹で汁を再利用しているところです。
蕎麦は水溶性タンパクであるため、茹でた際に成分が水の中に溶け出してしまいます。
そこでこの茹で汁をパスタソースに利用し、とろみ材料としています!
蕎麦屋ならではのアレンジを感じることができ、とても興味深かったです。
この茹で汁をベースに、ミラダシ、醤油、みりん、豆乳を混ぜることで、クリーミーなパスタソースの出来上がりです。
この醤油にもこだわりがありました。
九州熊本の老舗醤油メーカーである、「フンドータイ」の白っぽい醤油を使用し、クリームソースが真っ白になるようにしています。
こういった細部にもシェフのこだわりを感じることができました。
最後に
今回は、更科堀井様にお越しいただき、植物性のみで仕上げたクリームパスタ風そばを実食しました。
蕎麦は、蕎麦つゆで食べるのが当たり前だと思っていましたが、そうではありません。
バターのコクを感じられるクリームパスタに生まれ変わりました!
しかも、動物性は一切使っておりません。
まさに、未来の食だと言えると思います。
植物性食品が注目される中、このようにおいしく斬新なアレンジができるのであれば、今後の食の未来がもっと豊かに楽しいものになると思います!
今後の食の未来を考えていくのに、とても良い勉強になりました。
更科堀井様、この度は貴重な機会をありがとうございました。