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ナポリピッツァ

レポート:荻野夏苗、北口玲奈、坂根麻子、髙島彩乃、高田此乃香、年清なずな、南紅実

 

小田原さんのキャリア

福井県で生まれた小田原さん。高校を卒業した後、ミュージシャンを目指し、上京。しばらく東京で音楽活動を行っていたが、24歳で福井に戻る。叔父さんのフレンチレストランで1年修業した後、最初は喫茶店をしていたが、ナポリピッツァの存在を知ったことがきっかけで「ナポリピッツァと薪窯焼き料理の店 バードランド」を開業。1997年2月に初めてナポリに訪れて以来6年間ナポリに通い修行を積んだ。修行の末「真のナポリピッツァ協会(AVPN)」に世界で185番目に認定された。2007年にAVPN日本支部の立ち上げにかかわるなど、現在は日本を代表するナポリピッツァ職人である。

 

生地作りのこだわり

生地作りにおいて最も大切なのは、職人の熟練技でもこだわり抜いた素材でもなく、「必要以上にこねない・練らない」ことである。生地をこねすぎるとグルテンが出すぎてしまい、重たい仕上がりになってしまうからだ。

グルテンは、5分ほどこねて1時間休ませるだけで、生地自らが美しい網目構造を形成してくれる。そのため特別な機械は必要ない。グルテンという要素そのものが、生地を育ててくれるのだ。

こねすぎた生地は食べたときにどこか疲れてしまう。だからこそ小田原さんの生地は、こねる時間を短く抑えることで、食べたあとにくどさが残らない軽やかな仕上がりを実現している。

 

 

生地の伸ばし方

 ナポリピザの成形において最も重要なポイントは、生地の縁を絶対につぶしたり押さえたりしないことである。伸ばす際は生地の中央部分をやさしく押し、発酵によって生じた内部の空気を外側へと押し出すように移動させていく。こうして縁の部分に空気を溜め込むことで、高熱の窯で焼き上げた際にその空気が一気に膨らむ。

 また、成形の際に麺棒を使わないことも、生地の質感や食感を左右する大きな要因となっている。麺棒を使ってしまうと、生地の中の空気が完全に抜けてしまい、焼き上がりはクリスピーでパリパリとした食感のピザになってしまう。小田原さんの丁寧に生地を調整しながら伸ばす技術でナポリピザの食感が完成する。

トマトソースのこだわり

ピザに使用するトマトソースは、ホールトマトを手で潰し、塩を加えるだけで作られる。加熱はせず他の調味料も一切加えない。トマト本来の味を生かしたシンプルな製法が特徴的である。

使用するトマトは、イタリア産の細長い品種である。日本のトマトは水分が多く水っぽくなりやすいため、トマトの種類にもこだわっている。

ピザの焼き方

ピザを焼く際は、炉床の温度が420〜430℃程度になると窯全体の温度バランスが良くなり、焼成に適した状態となる。今回は窯の温度を上げるために通常使用する木屑の代わりとして、紙皿を燃料として投入していた。

焼成時間は約90秒である。ピザは窯の中の3時から4時の位置に置き、火は左側の10時付近で燃えている状態で焼く。火元に近い側から生地が膨らみ、焼き色が付いていくため、焼成途中でピザを180度回転させ、全体が均一に焼けるよう調整する。

また、ピザは窯の中で3種類の熱を同時に受けて焼き上がる。1つ目は炉床から直接伝わる伝導熱、2つ目は炎によって生じる対流熱、3つ目は高温になった石や窯壁から放射される輻射熱である。これらの熱が複合的に作用することで、短時間で香ばしく焼き上げることができる。

 

感想とお礼

先日はお忙しいなか、貴重なお時間をいただきありがとうございました。小田原さんのにこにことした優しい雰囲気もあり、終始楽しくナポリピッツァについて学ぶことができました。実際にピッツァをいただくと、耳がとてもふわふわで美味しく、これまで薄いピッツァが好みだった私にとって、新たな魅力を発見する機会となりました。また、窯に手を入れて温度を確かめられていたことも大変印象的で、ピッツァを美味しく焼き上げるための技術や、職人ならではの感覚に驚かされました。今回の体験を通して、普段何気なく食べている料理にも、作り手の技術やこだわりが詰まっていることを改めて実感しました。小田原さんのお話や実際にピッツァを味わう経験を通して、食の魅力は味だけでなく、それを生み出す技術や工夫によっても支えられているのだと学びました。今回得た学びを今後の食についての学びにも生かし、食の魅力をより深く探究していきたいと思います。

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